小学校受験において、お母様は、何とか希望の小学校とのご縁を頂こうと、
日々お子様と一緒にがんばっていらっしゃることと思います。
ですが、お受験までの長い道のりの中、ふとこの道でいいのか・・と
迷ってしまうことがあるかもしれません。
お子様のためを思ってお受験を進めているけれど、
本当にその道が一番なんだろうか。
私は「お受験先生」として様々な親子を見てきました。幼い子供にとって
小学校受験に向けての日々は時間的にも体力的にも大変なものです。
そして、明らかに小学校受験には子供の向き不向きがあると感じています。
それは、子供の能力があるなしではありません。
お受験をして私立の小学校で育った方が資質を伸ばせる子、
公立でのびのびと育った方が資質を伸ばせる子、それぞれです。
プロの視点から見た「お受験に向いている子、向いていない子」、
また子供の資質を伸ばすための考えなどを書いていきます。
Contents
小学校受験に向いている子
小学校受験に向いてる子供は、やはり長期戦である勉強に興味を持ち、
褒められれば喜びやる気を出す…負けん気があり、「こんどこそ!」と
回答用紙に○をつけてほしいと願う子供です。
ある意味では、両親や先生に従順で、両親や先生から評価してもらえることが
喜びとなる子供です。また、そうでなければ、長いお受験の勉強は、
母親にとっても、子供にとってもストレスになってしまいかねません。
小学校受験に向いていない子
逆に、小学校受験をして新1年生を迎え、6年間をその小学校で過ごすよりも
もっと適した6年間の過ごし方があるのでは…?と感じる子供もいます。
要するに、先に述べた子供の特性に当てはまらない子供です。
自分の世界を持ち、両親や先生が何と言おうと、自分の納得できるまで
1つのことに集中し、自分なりの大作を完成させるような子供です。
これは素晴らしい事です。
例えば、「お受験の勉強をしよう」と言っても、
牛乳パックで等身大のロボットを作りはじめたら、他の言葉が聞こえないような子供です。
お受験の勉強は多岐にわたります。
熱心な母親は、分刻みで子供の勉強スケジュールを組み立てている方もいらっしゃいます。これが終わったらこれ、次はこれ…と言った形でどんどんこなしていきます。
1つのことに集中するあまり、そこから離れられなくなっては、
幅広く受験対策を網羅することはできません。
このように1点集中型の傾向が大変に強い子供は、
小学校受験の記述問題をしていても、出来るまで次に進めません。
無理やり途中で切り上げさせて次の問題をさせるのは、子供にとってストレスです。
「最後までやりたいのに…途中まで出来ているのに…無理やり終わらされて、
どんどん自分の居心地の悪いペースで時間が過ぎていく」と感じるのでは
ないでしょうか。
我が子が「向いていないかも」と感じたら。
お気づきのように小学校受験が向かない子は、素晴らしい特性を持っています。
年齢からは考えられないような書道が出来たり、絵画を1年かけて製作したり、
今の時代ならロボットプログラムで大人顔負けのシステムを作るようなタイプです。
一定の「揃った感じ」を求められる私立小学校で6年間過ごすよりも、
地域の小学校に通いながら、その、たぐいまれな才能を伸ばすべく、
思いっきり習い事をさせてもいいのかと思います。
私立小学校に向いてなくて公立小に転校した子のその後
私は某私立小学校で幼少期を過ごしましたが、
低学年の時に転校していった友達がいました。
学校のペースと自分のペースが合わなかったのです。
彼女は1日中ピアノを弾いていたい子でした。
彼女は転校して、海外の有名な先生のもとでピアノを続け、
現在、ピアニストとして世界を飛び回っています。
お受験の先には、6年間の子供の学校生活があります。
1人1人素晴らしい特性を持った子供が、
それぞれにフィットした環境で大輪の花を咲かせてくれることが何よりだと感じます。
お受験のコツやハウツーを探す前にまず我が子を見ましょう
お受験に合格するコツを探すのは大切なことですが、まずは我が子を見ましょう。
実はお受験をしないで、公立小学校でのびのびと育った方が
子供の持っている素晴らしい資質が開花するという可能性もあります。
様々な情報はあくまで「参考」としてとらえ、
自分の子供のどこを伸ばしていくか。作戦を練ることが最大のコツだと感じます。
親に必要なのは、現状把握と、成長過程での対策です。
これさえ母親の頭の中ですっきりと整理されていれば、
お受験をするしないの判断を含め、小学校生活の寄り添いができると感じます。
お受験をするにしてもしないにしても父母の連携が大事。
小学校受験に関わらず、どんな親も我が子の教育には熱心です。
子供を自由に育てるにしろ、論理立てた理由と結果を説明しながら育てるにしろ、
それぞれの御家庭の方針があろうかと思います。
お受験をするにしてもしないにしても、必ず夫婦で思いを揃えてください。
小学校受験だけを見ますと、小学校受験に受かる親はやはり、特徴があります。
父親は、小学校受験をさせることによって子供の将来の為になるだろうと
大枠でとらえて10年後20年後をみすえている。
母親は、父親の作った大枠の中を埋めるように日々の生活習慣を具体的なものにしていく。
この連携の取れている御両親は強いです。
例えば、母親は熱心にお受験を進めようとしていても、
父親が「そんな無理して受験しなくても…小学校なんてどこでも一緒だよ」
という態度だと、
親子面接で面接官に見抜かれるだけでなく、子供自身も迷います。
とかく小学校受験の情報集めには母親がメインになるものですが、
父親を置いてけぼりにしないように心掛けてください。
お受験に関して、必ず夫婦で思いを揃えていてください。
父親が会社から帰ってきてすぐ、母親が「この学校なんだけどね!」と
話し始めると、男性はげんなりするかもしれません。
タイミングを見て(ここは少々面倒な所ですが…)父親も情報共有をしてください。
「ろくに知らないくせに意見だけしてくる…だから全部は言いたくない」と
思われるかもしれませんが、“意見した”という事実の積み重ねが大切なのです。
父親の意見を受け止めて、次なる子育て案を提案できれば問題ないわけですから…。
まとめ
お受験のコツや、我が子が小学校受験に向いているか、向いていないか…と
落ち着かない気持ちになった時は、10年後20年後の家族を想像してください。
その頃には小学校受験なんて昔のことと、笑っていると思います。
よい小学校生活だった…と親子ともども思い出話ができていますか?
子供にとって、また、ご家族にとって想像した通りの未来を願っています。