子供が生まれて、あるいは妊娠が分かった時から、
子供の教育のことは熱心に考えるご両親がたくさんいらっしゃいます。
1人目ともなるとさらに情報収集をされ
子供の輝く将来に何かできないかと、模索する事と思います。
ご両親からのプレゼントとして、子供への教育は大きなものです。
最近では胎児の時から教育をされる方もいらっしゃいます。
そのように幼児期の教育を考え、させてきた習い事を
小学校受験のために休憩するか、辞めさせるか…悩む方も多いと聞きます。
私は「お受験先生」として小学校受験に関わってきました。
私のクラスには小学校受験の勉強のほかにもたくさんの習い事を掛け持ちし、
親子とも忙しく毎日を過ごされている方もいらっしゃいます。
それぞれの教育方針のもとでされることですので、良い事だと思います。
また、幼い子供はスポンジのように何でも吸収するので、
成長過程で大きな財産になることでしょう。
ただ、子供はまだ幼いんです。体力的にも未熟です。
あたりまえですが、子供の体力と相談しながら、取り組むことが必須です。
小学校受験と習い事との違い。
習い事は楽しさや達成感を優先。
幼児期の習い事の目的は、基礎体力のため、体感を鍛えるため、
心肺機能を高めるため、耳が良くなるため、あきらめない気持ちを持つため、
本番に強い心を育てるため、協調性をもった人格形成…。
このような狙いがあるのではないかと思います。
本当に素晴らしい試みです。
習い事のお教室の先生は、きっと優しく子供を評価してくれると思います。
だから、子供は習い事が好きになると思います。
また、好きになって教室に足を運んでくれなければならないので、
お教室の先生も厳しくしたとしても、
最大限に「やったね!できたね!さすが!」と
励ましながら子供の成長に寄り添ってくれると思います。
たとえ△でも、頑張ったから○…今回に限り…次回の成長のために!!おまけ!
という事もあると思います。
小学校受験の勉強は受験に受かることが最優先。
一方、小学校受験の勉強はどうでしょうか。
もちろん、子供にとって勉強する事は楽しくなければなりません。
ただ、×なのに○はつけられないので、
「もう一回考えて見よう」と差し戻すことが多いです。
△はありません。
子供にとっては、頑張っただけで一定の評価をしてくれる習い事と違って、
単純な勉強を○をつけてもらえるまで頑張らねばなりません。
だからこそ、○をもらえた時の子供の達成感に満ちた表情は
何物にも代えがたく、子供の大きな成長となります。
ですから、小学校受験の勉強は「ストレス」→「達成感」の、
ふり幅は大きいと思います。
子供にとって小学校受験の勉強は、すごくしんどいけど、
他の人より自分の方が出来る事が増えていく実感がある、
○をもらえた時には嬉しい。
このスパイラルに入っている子供は忍耐強く取り組みます。
「お受験の勉強」は、これらの点で、
他の習い事とは少し違うところがあるかもしれません。
お受験で忙しくても習い事を続けた方がいい理由。
小学校受験を視野に入れた際に、
子供の体力的なことを考え、これ以上お教室に通わせることは難しいな、
何を削ろうか…。と考えるのではないかと思います。
もちろん、子供の体力を考えることが一番です。
だからと言って、習い事を削るのは、なんだか寂しい気がします。
先にも申し上げましたが、小学校受験の勉強では、×や△で○はつけません。
子供にとっての「大目にみてよ…」は、こたえられないのです。
子供の頑張りは日々感じます。今回の「×」は前回の「×」よりも、
一歩前進していることが分かります。お受験先生だって、「いいよ」と
言ってあげたい。でも、日々の積み重ねの先に「合否」がある以上、
心を鬼にして、「もう一回やってみよう」と子供に差し戻します。
小学校受験の先生は、決められたその日までに子供へのお受験教育を
完了させなければなりません。御家庭でも、良い結果を望んで熱心に取り組まれているからこそ、×や△で○はつけません。子供にとったらハードな環境だと思います。
この環境だけ子供に残されたとしたら…。子供にとって窮屈ではないかと
少し心配になります。子供の性格にもよりますが、「ホメられる環境」は、
たくさんあったほうが良いように感じます。
また、私のクラスでも「この前、ピアノが上手に弾けたんだ」
「英語で自分の名前が書けるよ」と話してくれる子供がいます。
受験の勉強とは別に、すごいね」と褒めることができます。
もちろん、習い事に限らず「昨日ママのお手伝いをしたよ」などの話もあり、
「ママはなんていったの?どんな顔をしていた?」と問いかけると
得意げに話してくれます。
子供にとって(大人もですが)褒められ、評価され、
自分の存在を認めてもらうことは活力になります。
子供の「自分のことを褒めてくれる大人」は、母親であれ、習い事の先生であれ、
お受験先生であれ、多いに越したことは無いと感じます。
もちろん、お子さんそれぞれの体力などもありますが、
無理ない程度で習い事も続けてみることもおすすめいたします。