お受験いろいろ

小学校受験で本人のやる気がなくなった時

小学校受験において、最初はやる気に満ち溢れていた子供でも、
だんだんと課題が難しくなり、パッパッとこなしていけた問題を1問1問、
頭をひねらなければいけなくなってきます。

私は「お受験先生」として子供たちの小学校受験に携わっています。

クラスでは、課題が難しくなるたび、「先生~わかりません」と
声が上がります。

もちろん、説明をして、一緒にしてみて、
最終的に自分でやってみよう投げた課題です。

子供たちは、自分で考えて悩む事が面倒になり、すぐに先生を呼びます。
やればできる子供でも、先生を呼びます。

そんな時は、「一度は自分で考えて」と、子供達に“悩む時間”を与えます。
それが、長い小学校受験の勉強を続けていく持久力になると信じて、
あえて差し戻すのです。

しかし、子供達の心の声が聞こえてきそうです。

「もう…嫌だぁ~」

 

長い受験期間に子供のやる気がなくなってしまうこともあります。
寄せては返す波のごとく、何度もアップダウンを繰り返しながら
子供は自分の力でやり切るようになります。

必ず出来るようになります。

この、アップダウンの対処法もお伝えいたします。

 

小学校受験を子供に説明する時

そもそも年長になると、
「なぜ私は小学校受験をするのか?他の子供が遊んでいるのに、なぜ私だけ…」と感じて、親に質問をしてくる子供もいると思います。

子供が勉強を辞めたいと感じて、「なぜ自分は勉強をするのか」を考え始め、
質問をしてきたときには、きちんと説明する時間を取ったほうが良いと感じます。

 

ママはあなたに・・・なってほしい、ママは、・・・が良いと思う、などは
控えたほうが良いかと思います。

子供はもちろんママが大好きですが、理解できるのは一瞬だけです。

子供が感じるのは、“ママは必死だ、自分がちがう事を言ったらきっと怒る”
程度の感覚だと思います。

 

話の持って行き方として、どこの小学校でもしているイベントなどの映像を見せて、
「あなたは、どんな1年生になりたいの?」から
子供との会話をスタートするとよいかと思います。

 

(例)

みて、入学式だって。きっと、たくさん友達ができるね。
遠足してる写真だよ。あなたも、こんなところでお弁当を食べるのかな。
どんなお弁当がいい?
これは運動会だね、走るのもあるよ、ダンスもあるよ、何がしたい?

※ここで、志望校ならではの映像(コンピューターの部屋だよ、外国人の先生だよ等)
ではないほうが良いです。
もしも志望校にご縁を頂けなかった時に、子供が戸惑うからです…。
あくまで一般的な小学生の映像で。

 

子供と話をしていると、子供から話を進めてくれると思います。
私はね、入学式には髪をくくっていく。お弁当には卵焼きを入れて!など。

ひとしきり子供の話をさせて、最後に母親が言います。
「じゃあ、今から勉強をして、○○ちゃんがなりたい小学生になる?」と。

子供なりに、何となく憧れを持ち、
そのためには勉強が必要なんだと感じさせるためです。

 

ただ、子供の話は二転三転します。1度や2度、このやり取りをしたところで、
確実ではありません。

子供がスランプになった時に、
「あの時、あなたが勉強して1年生になりたいって言ったんじゃない!」と
責めないでください。

ことある度に(スランプになる前に)何度もこのやり取りをすることを
お勧めします。

子供が「勉強を辞めたい」と感じ始めた時、
素敵な自分の未来の姿をイメージして、楽しい気持ちを取り戻すのが目的です。

 



 

小学校受験の教室を嫌がる子供に対しての対処法。

 

子供の気持ちに敏感に対応していたとしても、日常の些細なことで
「勉強をする」という習慣も、グズグズになる時があります。

・今日、もっと遊ぼうと誘われたのに、私だけ行けなかった。
・私が1番だと思っていたのに、もっとできる子がいてテンションが下がった。
・先生や母親にしかられた。
・眠い、しんどい。

 

子供は全てを投げ出すような態度で、勉強を嫌がり、教室を嫌がり始めます。
母親としては「どうしたの?調子が良かった時に戻って!」と焦るかも
知れません。

 

この時に言ってはいけない事は
・勉強をしたら・・・をしてあげるから、もうちょっとだから頑張って
・他の皆はやっているよ
・塾の先生に怒られるよ、ママ恥ずかしい
・みんなに笑われるよ

 

などです。

 

逃げ出したくなっている子供を、さらに追い詰めている状態になります。

子供自身が意地になってしまっている状態なら1度、逃がしてあげてください。

だからといって、グズグズの度に、母親が人が変わったように
サービス精神旺盛になり、楽しいイベントに子供を連れだす必要はないと思います。

 

放っておくのです。

 

母親としては、不安かもしれませんが、小学校受験のための教室を休み、
部屋でぼんやりと過ごさせてください。

この時に、ゲームやテレビは無しです。

「テレビは無し!」とは言わないでください。
コンセントを抜いて、「あれ?こわれたのかな?ママ分からない…。
パパに修理してもらおう」です。

母親は子供にかまわず、もくもくと家事をして子供との会話は最小限に。

子供に「やることない…暇だ…今日は教室の日だった…今頃みんな何をしているかなあ」と、“手持ち無沙汰”を体感させてください。

 

特に母親が説明したり、何かを言い聞かせたり、自宅学習させたりしなくても
“手持ち無沙汰”から、子供は「自分の居るべきところはここじゃなかった」と
感じるはずです。



 

十分に“ 手持ち無沙汰 ”で楽しくない時間を過ごしている様子が見えたら、
声をかけます。「次は教室、休む?行く?」

勢いよく “休む!!” とは、言わないハズです。

 

「じゃあ、今日は少し勉強しておく?休んだし…勉強はやめておく?
あ!ママ、今からお菓子食べるけど、一緒に食べる?
食べてからやる?食べる前にやる?」

 

お気づきでしょうか…。結局「やる」の一択しかないのですが、
子供は「お菓子食べてからやる」を自分でチョイスするのです。

 

幼いながらも、自分で居場所を見つけ、
自分で1日をどのように過ごすのか選択させて下さい。

母親は、子供が勉強をしようがしまいが、一定でいてください。

子供は、やる気のない態度を取ったとしても、一番わかっています。
やらねばならない事も、母親の気持ちも…。
子供を信じて、少しだけ待ってあげてください。