一人の子供に集中できる場合は、お受験もその後の小学校生活も
その子のために最善の教育を考えればよいのですが、
御兄弟がいらっしゃる場合、
兄弟で違う学校になるとどのようなメリットがあるか、
デメリットがあるか悩みますよね。
1人1人に最高の教育環境を与えようと考えれば、
兄弟で違う学校に通わせるのも1つの方法だと考えます。
兄弟と言えども、全く性格が違ったり、得意分野が違ったり、
しっくりくる環境が違うのは当然で、
そこに対応する教育があってもいいのかと思うからです。
その場合、ご両親が「兄弟そろって同じ学校に通わせたかったのに…」と
マイナスの感情を持ちながら6年間を過ごすのは酷です。
子供にもその感情は伝わりかねません。
小学校側も、何も意地悪をして兄弟を引き離すのではないと感じますが、
明らかに兄弟でキャラクターが違い、
子供にとって6年間という長い時間を
他の学校で過ごした方が良いのではないか?と判断されたら、
兄弟だからと言って合格をさせるわけにはいかないのも事実のようです。
特に、大学の付属小学校の場合は、「教育に関わる人材の育成や、
教育システムの改善を目的にした試行錯誤をする機関」という特性があります。
たとえ双子の子供が受験したとしても、片方の子供は合格、片方の子は…
ということもよくあるようです。
小学校が兄弟別々の場合に困ること
子供に合わせて小学校教育を変えるのは、理にはかなっていますが、
実際の所困ることも多いです。
幼いころは、学校までの道のりを横について歩くこともあるでしょう。
警報が出後なれば、すぐにお迎えに来てくださいと連絡が入り、
学校に行くこともあります。
保護者会、授業参観、運動会、音楽会、卒業式…
日時が重なった時は、どちらを優先しますか?
父母が分散して対応するという手もありますが、やはりバタバタします。
母親のスケジュール管理も大変です。
小学校から誰が何時に下校して、家に着くのは何時くらいなのか。
あまりに帰宅が遅いと、それなりの対応をしなければなりませんが、
そのスケジュールがバラバラだと、管理しにくいです。
確かに、「特にこの子は!!」という教育が必要なら、
どんなに大変でも兄弟を違う小学校に通わせる価値があると思います。
男女で教育方針が違う御家庭もあります。
ですが、このような場合は母親のバタバタ覚悟…が必要です。
そのうえで決めた事なら、やはり子供にとって良い選択をした事を信念として
自信を持って6年間を過ごせると思います。
兄弟同じ学校に通わせたい場合。私立小学校の兄弟枠について
次に、兄弟同じ小学校に通わせたい場合の、私立小学校の「兄弟枠」の話をします。
兄弟がすでに小学校に通っている場合、
兄弟枠はあるのでしょうか?
実は、私立小学校の場合に限らず、
大学付属の小学校も、提携幼稚園があるものです。
明らかに提携していると記載がない場合も、暗黙の了解で、
「○○幼稚園からは無いとし5名とる」などは存在します。
そこに、教師の子供や推薦、寄付金…。
大っぴらではないにしろ存在する学校もあります。
そこに付け加えて、上の子供がすでに通っていて
大変良い学生生活を送っていうとなれば、もちろん「兄弟枠」として、
何もないよりかは有利かもしれません。
私立小学校は少人数制であることも多く、
良い意味ではクラスが家族のような状態で、保護者同士の会話も多いと感じます。
ですが、兄弟がすでに通学しているからといって、
下のお子さんがすんなり入れるというわけではないのです。
周りも下のお子さんの合格を信じきっていたけれど・・・。
私が実際に経験した例をあげます。
お姉ちゃんの関係で集まった保護者同士が、
「妹さん、来年1年生よね?」などと言ってくることもあります。
妹の存在を隠すことは不可能なので、みんな妹の存在を知っているし、
何歳は慣れているかも知っている状態です。
「ね~。入れるかしら?」「だいじょうぶよぉ~、お姉ちゃんもいるんだし」
そんな母親同士の会話になると思います。
多くの場合、「兄弟枠」の有利な状況があって、ご縁を頂けると思っています。
ただ、「受験」なんです。何があるかわかりません。
優秀とまでは言わずとも、お姉ちゃんが普通の学生生活をしていて、
妹が新1年生になるべく受験した御家庭がありました。
決してご両親も安易に考えていたわけではないと思いますが、妹さんは
お姉ちゃんと同じ小学校からご縁を頂けなかった…ということがありました。
行動観察の時に何があったのか…筆記試験が全問白紙だったのか…確認する
すべはありませんが、結果として望んでいた状態にはなりませんでした。
ただ、子供は柔軟で、別々の学校に通う事にも慣れ、良かったと思います。
一瞬ですが、少しお母様は気の毒でした。
周りの保護者が「絶対大丈夫よ~」と話して、
「楽しみね!よろしくね!」などと言っていたため、変な空気が流れました。
他の保護者の方も、まさかの事態に何と言っていいかわからず、
触れてはいけない内容のようにびくびくした様子でした。
まとめ
小学校受験では、ご両親の理想の形があり、もちろんそれが叶うように
勉強をさせ、面接に挑むわけですが、
何があるのかわからないのが「受験」です。
同じ小学校にご縁を頂けたら、
兄弟で比べられることなく子供がのびのびと学校生活を楽しめるように配慮が必要です。
別々の小学校に通うことになったら、
各々のスケジュールをおさえ、1人1人に適した教育環境を選んだと考え、
同じく 子供がのびのびと学校生活を楽しめるように配慮が必要です。
周囲の人は何と言おうと、我が子をよく見て、
家族みんなで支えてほしいと考えています。