母親が子供の将来を考え、細かく調べ上げ、
愛する我が子にベストな選択だと信じて小学校受験を考えたとしても、
家族が反対していては難しいものになります。
反対とまでいかずとも、乗り気ではないレベルでも難しいです。
私の主観ではありますが、その理由は次のとおりです。
小学校受験は長期戦になります。調子がいい時は、
子供もやる気に満ち溢れ、生き生きとした表情でをしています。
しかし時間の経過とともにうまくいかない時があります。
幼い子供はお受験以外のことに興味を持ち、お受験対策の勉強となると
グズグズしはじめる。その態度に母親は苛立つ。
その戦々恐々とした雰囲気が周りの大人たちにとって
「まだ小さいのに、こんなにまでして小学校受験をさせる必要があるの?
かわいそう。やめてあげて」という感情を起こさせます。
例えば、母親と一緒にいる時の子供は母親の表情を見て怒られまいと勉強をしますが、
他の家族と一緒の時に、お受験反対派の大人が助け舟を出してしまうのです。
「本当はお受験したくないんだよね?お勉強しんどいよね?遊びたいんだよね?」と。
そこで子供が頷くと、大人は子供を守らんとばかりに
「反対」の声を大きくします。
そんな時に、本来なら「しんどいね、でもえらいよ。少し休んだら
次は出来るかもしれないよ」と言ってくれなければいけません。
受験に成功する為ではありません。幼い子供の心がフラフラしてしまいます。
お受験に反対する父親との話
まず大切なのは、父親です。
私はお受験先生をしていますが、お受験が全てだとは思いません。
まず、父親の意見を聞いてください。男性ならではの意見がありますし
社会の中で揉まれたうえ、多くの素晴らしい大人と関わり、
真の人間力とは何かをよく御存じだと思うからです。
母親がA小学校のお受験を考えていたとして、父親に「あなたはA小学校の
ことを何も知らないじゃないか、私の方がよく調べて分かっている」と
考えたり、「子供と日常的にかかわっているのは私」という考えで
父親の意見をシャットアウトするのは好ましくありません。
「俺だってちゃんと考えている」と口論になるかもしれませんから。
話は変わりますが、例えてみましょう。
あなたは化粧品を買おうとしていて、迷っているとします。
そこにABC化粧品の店員が来て、ABC化粧品を勧めてきたとします。
ABC化粧品の優れた成分の説明をして、他の化粧品会社の悪口を言って、
ABC化粧品を買ってくれ、どうして良さをわかってくれないんだ?!と言われる…。話を聞く気分にはなれないと思います。
そして思います。
「そりゃ、あなたはABC化粧品の店員だから勧めるわよねえ、
でも他の商品のことは知らないんだろうな、
ABC化粧品が1番だとしか考えていないんだから、世間知らずだなあ…」
どうしたらABC化粧品の店員からABC化粧品を買おうと思いますか?
同じように小学校受験に反対の父親との会話を考えます。
まず、相手の肌の悩みを聞きます。途中で話をさえぎってはいけません。
(なぜ小学校受験に反対しているのか聞きます。自分が公立だったから?
自分が私立で嫌な思いをしたから?家から遠いから?
学費と教育の価値のバランス?イメージ?面倒くさそうだから?)
つぎに幅広い情報を与えます
(A小学校の良い点、悪い点。B小学校の良い点、悪い点…
すべての可能性の中からより良いものを一緒に選ぼうとすべて提示します。
具体的に。データが必要なら添えてください。文章にするなら箇条書きに。)
その際に下準備が必要です。これはかなり難しいですが、
母親が一番押しているA小学校の悪い点を
しっかりと納得できる形で解決済みにしておいてください。
さいごに、自信を持ってお勧めしてください。
(子供に一番合っていると思うし、これだけの学費を出す価値があると考えた。
私は、たくさんの情報の中から公平な目線で見て、感じた事だ。)
この話し合いの際には、母親のあふれる気持ちは抑え、
しゃべり過ぎないように。
父親からの言葉をたくさんもらってください。
そして、ここまでは頑張ろう、でも、こういう状況になったら潔く諦めよう等、
夫婦で共有してください。子供が安定します。
お受験に反対する義両親との接し方
父親と母親の方向性が一緒なら、義両親には「見守って下さい」と
ひとまず言っておく程度でいいと思います。
義両親の意見が強く、その意見に父親が大きく影響を受けるようなら、
先ほどと同じ工程で義両親にも説明する必要がありますが、
義両親の意見で父親がゆるがない方が子供が安定します。
義両親には、人生の先輩としてたくさん学ぶべきことがあると思います。
経験も豊富です。
ただ、時代は恐ろしく変化しています。
子供は、両親の経験した学生時代とは違う学制生活を送るでしょう。
義両親との時代を考えると、さらに変化があることは容易に想像がつきます。
そのことは、義両親様自身もお気づきだと思います。
かわいい孫が時代遅れになることは望んでおられないハズです。
ただ、人としてどんな時代になっても大切な事があります。
忍耐力、堅実さ、慎重さ、快活さ…。それらの点はどうでしょうか。
小学校受験をすることで、他の教育よりも充実しているのか。
義両親に関わらず、人生の先輩の方々が心配されるのはその点だと感じますし、
大きな価値を感じるのもやはり、その点だと思います。
どの小学校に入学しても、書類には保護者のほかに
親戚の名前を書くことが多いです。
決して敵を作ってはいけません。
幼い子供が大きな目標に向かって頑張る時に、厳しくサポートする大人と、
やさしくサポートする大人が必要です。
もちろんサポートする大人が多いに、こしたことはありません。
母親は、冷静に、謙虚に、論理立てて、子供のサポーターを増やしてください。