小学校受験において、面接対策は必須です。
「普段通りで…」とは言うものの、ふとした拍子に「えっ?!」と焦るものです。
特に、面接官は親子が日常的にどのような会話をしているのか、チェックします。
それを通して、親子関係を見ようとするからです。
暖かい親子関係があり、尊敬関係があり、家庭が愛ある会話に満ちているか。
よく言えば、リラックスした自然体の生き生きとした子供の様子をアピールする時間。
悪く言えば、ボロが出ないように。対策を立てにくいドキドキの時間です。
親は子供に、自分たちのことを何と呼ばせているでしょう。
パパ・ママ?
お父さん・お母さん?
お父様・お母様?
ダディー・マミー?
どれも間違いではなく、両親の呼び方で不合格…なんてことはありません。
ただ、面接官との会話になった時に、ヘンテコになる場合があります。
面接官: 「お父様の好きなところはどこですか?」
子供 : 「お父様…の、好きなパパは…あっ…えぇと…(沈黙)」
面接官から何を聞かれたのか、質問内容も忘れ 固まる。
恐怖ですよね。
私は「お受験先生」として、様々な御家庭の親子関係を見てきました。
プロとして、面接官に何と言われようと、面接として成立するレベルの
対応ができるように指導してきました。
御家庭で出来る対策をお伝えしようと思います。
Contents
面接時に子供に両親のことを何と呼ばせるか パパ・ママでOK?
基本的に、お父さん・お母さんと呼ばせるのが良いと思います。
まだ幼児ということを考えれば、パパ・ママでも気にはならないです。
あくまで子供が聞かれたことに素直に答える「内容」が大切です。
これは、私の個人的な感覚なので、お受験対策の塾に
現在通っていらっしゃるならば統一して、その呼び方を貫いてください。
ただ、失敗例をあげますので、参考になさってください。
会話が少なく、語彙が少ない環境か
① 面接官:お父さんの名前を教えてください。
子供 :お父さんはパパです。
日ごろから、お父さん、お父様、パパ、たくさんの語彙を使って
会話していない様子がみえます。
このような場合、同様の問題が様々な所で頻出します。
年齢の聞かれ方も、「何歳ですか。いくつですか。年齢は?」子供は戸惑います。
子供との会話は、ありとあらゆる聞き方で、たくさん会話しておくことが必須の対策です。
言葉の意味を分からず使っても、指摘されない環境か
② 面接官:お母様の、どんなところが好きですか。
子供 :お母様の、かわいいところです。
子供は「かわいい」が、最上級の褒め言葉と思っています。
だから、大好きなお母さんを「かわいい」と言った…容易に想像できます。
ただ、語彙の意味を丁寧に説明してこなかったご家庭の様子が出ています。
母親自身が、祖父母のことを「かわいい」と言っているところを
子供に聞かれていませんか?
母親が家族に対して、尊敬の気持ちを持った言葉を選んでいるかふり返って下さい。
そして、子供が間違った表現を使った時は
毎回軌道修正をすることが何よりの対策です。
質問とズレた返答をしても、適当に相づちを打っている環境か
③ 面接官:お父さんの、嫌いなところを教えてください。
子供 :かみの毛です。
年長さんにもなると、「だれ」「いつ」「なに」を使った質問には、
既に対応能力があります。
子供の不得意な質問ワードは、
「どうやって」「どんなところが」「どんなときに」「どんなふうに」などの、
説明や様子を質問されるワードです。
子供との会話を振り返ってください。
不得意ワードの投げかけはありますか?
母親が「どうやったの?」と投げかけた時に、
子供が「こうやってこうやって…」として見せてくれたとしても、
簡単に「へえ~、すごいね。」と言ってはいけません。
適当に相づちを打っているのと同じです。
「お話しして、教えて」と、言葉で説明させてください。
NG母親 ハナちゃん :ママ、見てぇ、絵を描いたんだよ
母親 :へえ、すごいね、上手だね。ハナちゃんが描いたの?
ハナちゃん :うん
母親 :パパに見せよっか!
ハナちゃん :うん
母親 :パパ喜ぶかな
ハナちゃん :うん!!
お気づきでしょうか。ハナちゃんは「うん」しか言っていません。
「どうやって」「どんなところが」「どんなときに」「どんなふうに」を
使って子供と会話をすることを心がけてください。
子供の説明力・対応力をつける対策です。
ウチとソトの区別をつける教育がされなかった環境か
④ 面接官:お父様と、お母様の名前を教えてください。
子供 :たけるくんと、しずちゃんです。
ありえない!と思われるかもしれませんが、クラスに2人はいます…。
それも、そこそこハイレベルな教育をされている御家庭の子供です。
子供は平気で、言いますよ。
大好きなママがパパを呼ぶ時の言葉は正しいと思っています。
母親自身がご主人様を呼ぶ時に「お父さん」と言う必要はありません。
何でも母親が修正するのではありません。
こんな場面があったら、真顔で「ママはパパのことを たけるくん と
言ってもいいけど、あなたはだめ。お父さんと言いなさい」と
子供を修正してください。
子供は、家の中のすべてのものを自由に触れるわけではありません。
子供は、何でも奔放に言動できるわけではありません。
邸宅にお住まいなら、“子供が入ってはいけない部屋”があってもいいくらいです。
子供に、自分の自由がきく範囲と、きかない範囲を教えていくことが対策です。
子供は一生懸命です。面接でうまくいかなかったとしたら、
日々の積み重ねの結果かもしれません。
これらのことは、小学校受験の前日までに対策ができたハズ…ですよね。
でも大丈夫です。
今から子供との会話を重ねれば、驚くほど短期間で変わります。
なぜなら…、子供自身が、大好きなお母さんとの会話を望んでいるからです。
面接時に両親は子どものことを何と呼ぶか
次に、両親が子供をなんと呼べばいいかを
お受験塾の指導員としてたくさんの親子を見てきた体験を踏まえて書いていきますね。
一般的に親が子供を呼ぶときは次の三つのうちのどれかだと思います。
それぞれについての印象はこうです。
① 母親:先生、ハナちゃんは… (面接では「ちゃん」付けでない方がいいですね)
② 母親:先生、ハナは…娘は… (違和感なし)
③ 母親:先生、ハナは、どうですか?彼女に聞いたんですが…(お手並み拝見!)
感覚としては、このようになります。
個人的には②が妥当だと思います。
③のように、自分の子供の話をする時に途中から「彼」「彼女」と
呼ぶ親は、子どもを1人の独立した人格として扱っている
ハイレベルな親だと感じますが、
子供自身が面接や行動観察の際に「ぼくねっ!私ねっ!」と、
甘えん坊だった時に…落差が大きいです。親ばかり張り切ってもヘンテコです。
無難に②にしておくことをおすすめします。
まとめ
子供の言葉遣いというものは、赤ちゃんとして生まれて
子供が初めて「ママ」と言った時からの家庭での積み上げです。
そして、小学校受験を迎えようとしている子供は、
「きちんとやらなくちゃ」と十分に自覚しています。
今から軌道修正を行っていくなら、落ち着いて子どもと向き合い、時間をかけて。
子供が納得できる理由を添えて。
子供は、親が自分に時間をかけて説明してくれることが大好きです。
そして、自分が今、何を考えているか。考えた理由も聞いてほしいものです。
御家庭での楽しく、豊かな会話を「紡いで」下さることを願っています。
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