お受験心構え

小学校受験 ワーママは不利? お受験のプロが教える共働きでもできるコツ

小学校受験を考えるワーママにとって、自分が働いていることで
不利になるのではないか、影響はないか、面接で意地悪な質問で
責められはしないか…ということは、必ず頭をよぎることだと思います。

私は「お受験先生」として働いています。
プロとして言わせていただきます。

 

関係ありません。

 

小学校受験に挑む御家庭で、何もかも心配事項がない家庭なんてありません。

ママが働いていない家庭の子供だって、父親が不在がち・介護が必要な家族がいる・
自宅からの通学距離が遠い・子供が頼りない・生まれたばかりの兄弟がいて、手がかかる…

 

どの御家庭も、様々な環境の中で受験の日を迎えます。
ママが働いていないから絶対的に有利というわけではありません。
すべて順風満帆が故に、親子ともども世間知らずの、自分たちファースト、
しかもその状態に気がついていない…イタイ御家庭もあります。

 

まず、「不利かも…」と考えるのはやめましょう。

きつい言い方かもしれませんが、
不合格になった時の言い訳を作っているにしかすぎません。

 

私はフルタイムで働いています。自分の子供に時間を100%使えません。
他人の子供に使う時間がありますが、泣いても笑っても1日24時間…。

出来ない言い訳を考えない事です。出来る方法を考えましょう。
ワーママなら、出来るハズです。

 

入試要項には、ワーママはご遠慮ください とは書いていませんよね。

 

周囲の批判的な反応には「ご意見ありがとうございます」程度です。
周囲の人は面接官ではありません。

 

やるべきことをやるだけです。

 

この記事では、ワーママが具体的にどのように
小学校受験に取り組んでいけばいいかをプロの目線で書いていきますね。

 

 

働きながら小学校受験を成功させよう

 

ワーママの心配な点は以下の三つだと思います。

① いつもバタバタしている
② 職場に迷惑をかけるかも…
③ 子供と一緒に過ごす時間が短い

 

それぞれについての解決策を書いていきます。

 

① いつもバタバタしている

 

何事も早めに取り組みましょう。

ワーママは自由に使える時間に制限があります。
すべての事柄について前倒しで進めることをお勧めします。

出来るだけ子供が小さいうちから小学校受験モードに入ることがベストです。
ただ、年長さんから取り組んだとして可能性がゼロか、というと そうではありません。

 

「時間がない」バタバタを “子供で帳尻を合わさない” こと。

 

毎日の例で説明します。

 

7:00に家を出て、保育園に向かわなければいけないとします。

6:55に玄関で「早く早く」とバタバタ…ありえないですよね。
出発しようと靴を履いてから
「先生が今日、段ボール持って来てって言ってたよ」
「あ、帽子がなぁい」
「トイレぇ…」
「まだパン食べたいのにぃ~」

 

履いた靴を脱ぐ、イライラの極み。

 

でも、よく考えてください。

そもそも、日々の会話の中で
「何か持ってきなさいと言われてない?」と聞かなかった。
昨夜、寝る前に明日の準備ができているかチェックしなかった。
寝るのが遅かった。
だから今朝、起きる時間が遅かった。
起きてすぐにトイレを促さなかった。
昨日の夜の間に今朝の朝食の準備をしていなかった。

 

全ては親の「段取り不足」です。

“ ダンドリ ハチブ シアゲ ニブ ”

小学校受験でも同じです。
小さな子供を「早く早く」と叫びまくって
子供で帳尻を合わせないようにしたいものです。



 

② 職場に迷惑をかけるかも…

 

普段から人が嫌がる仕事を進んでしましょう。

 

今の仕事を今後も続けていくなら、
小学校受験ごときで職場に迷惑をかける生活は、「まだまだ序章」と考えてください。

 

入学後も、

・平日昼間に集まる
・警報が出て早々のお迎えをお願いされる
・創立記念日
・教師の勉強会などで12:00下校
・急な発熱
・健康管理をしているので、自分の子供は元気。なのにインフルエンザで学級閉鎖

キリがありません。入学後も6年間、続きます。

 

出来る事は、ただ一つ。

 

職場の理解です。

 

・社歴を長くしておく(入社したてでは、厳しいです)

・職場に敵を作らない + 謙虚にふるまう

・他の社員の倍速で働く + ささやかにアピールしておく
(私の密かな頑張りは、きっと誰かが見てくれている…は、自己満足です)

・早めのスケジュール管理

・今、自分がしている仕事を誰が引き継いでもいいようにしておく
(自分にしかできない仕事を先にします。自分が職場に行けない場合、
「○○に資料が一式あります。未処理の部分には付箋が貼ってあります」など。
「あいつ~休みやがって!仕事が止まるじゃないか!
どこまで仕事が出来上がっているんだろう?!
続きをしようと思っても、わからないじゃないか!
だからママ社員は嫌なんだよ!」と、自分が不在の時に言われないよう、
最善の策を取っておく)

・人が嫌がる仕事をする(困った時はお互い様!と心から言ってくれる人を増やす)

 

 

人に謝ってばかり、自分を押し殺してばかり、自分が自分らしくいられない…

わかりますよ。

上記のことは、企業でも勤めていた私が経験した事ですから。
だからこそ、熱く熱く、応援したいのです。

 

自分なりのリフレッシュ方法を見いだして、戦いぬいてください。

5年後、10年後…得るものは大きいです。実証済みです。

 



 

③ 子供と一緒に過ごす時間が短い

 

時間の質を高めましょう。

 

小学校受験を考えている他の母親が、子供の横について
しっかり勉強をしているのに対して、自分の子供は保育園で遊んでいる。

祖父母の協力があったとして、勉強グッズを添えて預かってもらえたとしても
やたら休憩が多い、おやつタイムが長い…
でも、預かってもらっている手前意見できない…。

焦るばかりですよね。

 

私は祖父母が遠方なため、全て主人と私が子育てをしていました。

 

それでも、出来る事はあります。

 

退社するまでは「すいません、助かります、有難うございます」と、低姿勢な人格。

一歩会社を出たら、保育園のお迎え時間に間に合わせるために、バタバタ・イライラの人格。

保育園に着いたら「ありがとうございます~」と、ほがらかな人格。

 

ワーママは、驚異の対応能力で頭がおかしくなりそうです。
でも、ここからが大切。その後は、どんな人格になりますか?

 

子供と帰路につく時は…?
はぁ…やれやれ。ではダメなのです。

「お受験先生」になって下さい。

 

一通り、子供に保育園での出来事を言わせます。

「どうして?」「どうやって?」「どんなふうに?」と聞き返しながら、
子供の説明力を鍛えます。

子供が5W1Hを理解するように。

 

母親:今日は何をして遊んだの?
子供:この折り紙、リカちゃんがくれたの
母親:何をして遊んだの?
子供:リカちゃん、青色が好きなんだって!
母親:何を 何を して遊んだの?折り紙?ブロック?
子供:折り紙!
母親:折り紙をして遊んだのね。「折り紙をして遊んだ」もう一回聞くよ。
何をして遊んだの?

子供:折り紙をして遊んだの~

母親:誰と一緒に遊んだの?

子供:リカちゃん!

母親:ちゃんと全部言って。「リカちゃんと一緒にあそんだ」もう一回聞くよ。

 

このやり取りをしながら、帰宅します。
送り迎えの時間やお風呂でも出来ます。

 

その他にも、たくさんあります。親の意識と工夫次第です。

たとえば…

 

・赤い色のものを3つ教えて
・「かばん」「りんご」3つの音の物を言おう

・しりとりをしよう

・春夏秋冬(はるなつあきふゆ)を教えて。「こいのぼりは?」「海で泳ぐのは?」「凧揚げは?」

・「タロウ君は、りんごと、みかんと、ブドウを買いました。タロウ君は、いくつ果物を買ったかな」

 

親は必死でも、子供は楽しそうにやってくれます。
子供の楽しそうな顔を見ると、親も癒されます。

 

休日で、時間のある時には、運筆など子供の横についてしか出来ない勉強を
優先します。



 

共働きでも大丈夫 気を付けたいこと3選

 

子供自身も納得している、父親の協力がある、祖父母も応援しているなどは
必須条件として割愛します。
ワーママ自身が、気を付けたいことについて3つあげます。

 

① 自分の頭の中の整理、理由づけ(面接の時にブレないため)

 

働きながら子育てをするのは、なぜ?
自分が社会に身をおくことで、より子供の社会性を高めるアプローチができるから?
子供が「寂しい」と言った時に、自分は何と答える?
“ ワーママ=子育てが手薄 ” と言う人を納得させて味方につけるくらい
論理立てて、穏やかに話ができる話術はある?

 

ぼんやりと頭の中で考えるだけでは、いざという時に口から出てきません。
事実を書き出してみる。その上で、他人に話す必要の無い部分を消す。

自分の前に鏡をおいて、声に出して言ってみる。

 

鏡に映る自分は、自信と信念に満ちた表情で、生き生きと話していますか?

 

② 小学校に通い始めてからの、緊急時対応を確立しておく

 

平日の場合、午前の場合、父親不在の場合、祖父母不在の場合…。
AがダメならB、BがダメならC というように、して考えます。
そして、これ以上 案がない!というまで対策を出したところで見直します。

「働いていないママだって、これ以上は無理だよね」というレベルにまで
達しているか。

そして、その内容を子供を支える家族や祖父母と共有できているか。

 

③ 自分らしさを取り戻すスイッチを持つ

 

母親は、いつも母親でなければなりません。明るく照らす太陽です。
でも、人間です。しんどいんです。でも、やることが山積しています。

 

短時間で、低価格で、他人のお世話にならなくて済む「自分らしさを取り戻すスイッチ」を3つ程、お守りとして持ってください。

私の場合、朝にレモン水を飲むとか、夕食後にチャイティーを飲むとか…。

「これを飲めば、1日 いける」
「これを飲めば、疲れが全てリセットされる」

 

もはや自己暗示の極み。

 

1分でいいんです。自分らしく過ごしましょう。そして強烈に自己暗示を
かけましょう。

役に立つの?
役に立つと信じましょう。

あまり使えそうにないスイッチだなあ…と思っても、
使えるものはささやかな事でも使いましょう。

 

 

 

母親は、強く、明るく、人生を楽しんでいる存在でいてください。

 

 

面接官に「どんな大人になりたいですか」と聞かれた子供が、沈黙の後
「お母さんみたいに、みんなの役に立つお仕事をする 大人になりたいです。」

実際、こう答える子供がいます。第1志望校に合格していました。

 

ワーママにしかできない教育があります。
ワーママは不利ではありません。全く関係ありません。

ママの心がけ次第で、すべてが変わっていくのです。